将来的に介護の分野で働くことを考えて、介護福祉を学べる専門学校や短期大学・4年制大学に進学する人が増えています。ではその中であえて4年制大学を選び、学ぶ意義は何なのでしょう。
【ソーシャルワークを理解した介護福祉士を育てる】
現在、日本の介護福祉は、介護を必要とする人を地域全体で支える「地域包括ケアシステム」へと向かっています。このシステムは個人へのサービスにとどまらず、家族や地域社会にも働きかけ、多職種とチームで連携をしながら行うものです。その際に大きな役割を担うのが、ソーシャルワークを理解し、介護を行う介護福祉士の存在です。そのため介護福祉士に求められるのは、介護のスキルだけでなく、包括的な視点で支援を進める社会福祉士としてのスキルです。
4年制大学では介護福祉士の養成課程で社会福祉の科目を学び、ソーシャルワークも理解した介護福祉士を目指します。この点が、短期大学や専門学校との大きな違いです。4年制大学で社会福祉士の科目を学び、介護福祉士となった人材は、日本の福祉全体のリーダーになっていくことが期待されているのです。
【教養教育で人間性を高める】
介護は、単に介護サービスを提供する人と介護を受ける人という関係ではなく、要介護者と向き合い、要介護者の生活と命に責任を持つ仕事です。そのため、介護福祉を学ぶ際に大切なことは、スキルだけを習得するのではなく、広範な知見と教養を備え、人間力を高めることが重要です。それには、4年制大学で行われる「教養教育」が重要になります。
教養教育は文系理系の枠組みを超えた科目のことです。自分の専門分野以外のことを幅広く学ぶことで、視野を広げ、教養を高めること、加えて様々な人や他の医療福祉を学ぶ仲間と関わり見聞を広げることが4年制大学ならではの利点といえるでしょう。
【介護福祉士の社会的評価を高める】
4年制大学は質の高い介護福祉士を多く社会に輩出することができます。質が高まれば介護福祉士の社会的評価が高まり、賃金や処遇などの向上につながります。つまり4年制大学で学ぶ介護福祉士は、これからの介護福祉士全体の未来を築いていく存在となるのです。