介護福祉士の養成校では、「介護実習」が必修科目です。実習場所や期間は学校によって異なりますが、総じて450時間の介護実習を行うことになっていて、一般的には卒業までに２〜４週間の実習を３〜４回に分けて実施します。

　介護実習では、コミュニケーション方法を含めた介護の専門的技術を身につけるために、先輩介護福祉士が利用者を介護する場面に立ち会い、基本的な介護技術を確認します。また、実際に介護を行いながら、技術向上を図ったり、介護計画書や介護記録を作成し、どのような流れでサービスが提供されているのかを学びます。
‍
　コミュニケーション力を鍛える介護の現場では、利用者の気持ちに寄り添う姿勢が基本となります。そのため介護実習では、多くの利用者と関わりながら、最適な援助関係を築くためのコミュニケーションスキルを養います。また利用者の突発的なアクシデントを未然に防ぐ能力も、介護の現場では求められます。その視点を、実際に現場で活躍する先輩介護福祉士の姿から学びます。
‍
　チームケアの実践に触れる機会として、利用者を取り巻くさまざまな専門職が集まり、今後どのようなサービスを提供するか話し合う「ケースカンファレンス」や「介護サービス担当者会議」に参加し、介護福祉士の役割やほかの専門職との連携方法を学びながら、チームケアのあり方について理解を深めます。
‍
　介護実習は短期間にたくさんの課題をクリアーする必要があり、忙しい体験期間となりますが、有意義な時間を過ごすためにも、学校で学んだ知識をしっかり整理し、実習内容や目的を把握した上で臨むようにしてください。自分自身の得意不得意を見つめ、介護福祉士としての自覚を高めるまたとない機会となるはずです。